オーガニックで育てた野菜に、土の匂いがする背景ボードを
今回のコンテンツシーンに選んだ被写体はオーガニックベジタブル。オーガニックベジタブル専門店のPR広告に使用する写真という設定で撮影。高価格帯で販売する商品と仮定し、メインビジュアルは「高級感と土の匂い」をテーマにスタイリストと共に撮影イメージを共有。背景ボードには、被写体が引き立つDARK GRAY backgroundを壁面に、床には土の匂いを連想させるWARM background(現在廃盤)という2枚を使用。
Styling|清潔感漂うウッドボウル、鮮度のいい食材で「清潔に管理された野菜」を表現。
土臭さを感じるWARM backgroundは山の幸も海の幸も問わず、食材の撮影に良いアクセントをつけてくれます。スタイリングでポイントとしたのは土臭さと合わせた「清潔感」。オーガニック野菜というポイントをWARMと、鮮度の良い野菜そのもので十分に演出しています。
フレッシュジュースやスムージーを提供するお店にとって、オーガニック食材であるのと同じくらい、清潔に管理されているというイメージをお客様に伝えることがとても大事だと思います。
なので、食材をまとめた大きなボウルは、まるで「畑のすくそばにあった丸太からくり抜いた」ような野性味を持ちながら、ヤスリがけやニス加工がきちんと施され、清潔感が漂うウッドボウルを使用しました(Text:PERCOLATOR)
Lighting|メインになる直射光をソリッドにして「差し込む光」を作る
メインライトは隙間から照らすハードライト。強く細い光が欲しいのでライトにバーンドアを取り付け、ディフューザーを通さず光の角度や高さを調整しながら商品に当てています。バーンドアはムービー照明でよく見かけますがストロボでも非常に使いやすいのでオススメです。
不思議なもので、日光を浴びて育つ野菜やフルーツは硬めのハードライトがないと美味しそうに写りません。撮影したことがある方はわかると思いますが、野菜やフルーツが一番美味しそうに写るのは太陽の下、しかも直射日光です。
撮影メイキング
今回使用したストロボは「Profoto D2 500 AirTTL」を2灯。サブライトとなる左側の1灯にはOCFズームリフレクターを取り付け少し絞り気味に。ディフューザーごしに全体を照らすイメージでライティング。もう1灯にはOCF II バーンドアを取り付け、ディフューザーを通さず商品に当てています。光のバランスはバーンドアをつけたメインライトを強めに、サブライトはそれを補う程度の強さにしています。ちなみにLEDライトなら同じ要領で撮影できますが、その場合は周りの光を遮断する必要があります。また自然光でこのライティングを再現しようとするとかなり大変です。
使用ストロボ:Profoto D2 500 AirTTL 2灯/OCFⅡバーンドア
使用機材:CANNON EOS1DX markⅡ/EF100mm F2.8 Macro
撮影データ:f11 1/125 ISO160 色温度 5500K RAWデータで撮影後Photoshopで調整
ビジュアルイメージ
広告用ビジュアルのイメージです。テクスチャの違う2枚のグレー背景のため、文字も入れやすく広告ビジュアルに使いやすい写真に仕上がっています。背景に色がないため、野菜の色と質感も目立っています。こういう控えめで質感のある背景はかなり重宝するはずです。撮影する際はヨコ位置とタテ位置、さらにInstagram用の正方形を意識して撮っておくといいかもしれません。余白を多めに広く撮影しておくと、WEBSITEのバナーにも活用できます。
Photograph / Visual Design : KYOSUKE YAMAUCHI (ONKOKENSHIN)
Styling : PERCOLATOR