無骨な大人っぽさを、スタイリングとライティングで表現
今回のコンテンツシーンは新しくオープンするoyster bar。広告用ビジュアル制作のためのスチールという設定で撮影。隠れ家的な大人のオイスターバーを表現するため、背景には同系色のWARM background(現在廃盤)を選択し大人なイメージを。市販のフラットな背景紙とは違い、人の手で塗装した無骨なテクスチャがほどよい存在感で馴染んでいます。同系色でまとめたスタイリングのため、メインのoysterが浮き出るようなビジュアルになりました。
Styling|打って付けのピューターでスタイリングに奥深さを与える
Vol.1では畑の野菜でしたが、今回は牡蠣のスタイリングということで、砂浜をイメージしWARM backgroundを使用しました。生牡蠣の食べ方は和洋様々ありますが、オイスターバーというテーマだったので、フランス式に。
盛り付けに選んだ器はフランスのアンティーク。ピューターという素材で主に錫(スズ)でできています。熱伝導率がよく、氷を乗せるとお皿ごとキンキンに冷えてくれる、まさに牡蠣を盛り付けるに打って付けの器です。
こういった、機能性も活かしたスタイリングができると、仕上がりが奥深いものになるものだなと、自画自賛してしまいます。バゲットと並べたシャンパングラスもフランス製で、ステムの黒が牡蠣の殻の色味とリンクするようセレクトしました。(Text:PERCOLATOR)
メインになるoysterを最も目立つよう盛り付ける
今回の主役はオイスター。器の大きさに合わせハーフシェル3個をチョイス。盛り付ける前に3つの中で最も見た目が美味しそうなオイスターを選び、それが一番目立つよう盛り付けるのがコツです。氷を敷き詰め安定させ、中央のoysterが少し上に重なるように盛り付けています。氷を使用する撮影は氷が溶けてしまうと崩れてしまうため、あらかじめダミーの器を背景ボードにセットし、ライティングを決めておくのがコツです。
Lighting|メインライトにハードライトをプラスし、背景とoysterを浮立たせる
メインライトはディフューザー越しに全体を照らすソフトライト。それにプラスし、同じ方向からバーンドアを取り付けたハードライトを使用。ドアの隙間を狭めにしオイスターと背景にほどよく当たる角度で設置。オイスターが白いため、光を強く当てると飛んでしまいます。そのため、メインライトより少しだけ強めにハードライトを調整しています。
日陰から太陽の光が少しだけオイスターに差し込んでいるイメージに仕上がりました。背景に使用したWARM backgroundも同系色のため主張しすぎず大らかでいいアクセントになっています。
撮影メイキング
今回使用したストロボは「Profoto D2 500 AirTTL」を2灯。ディフューザー越しのメインライトにはOCFズームリフレクターを取り付けています。これだけでもキレイですが少しソフトすぎるのためアクセントにもう1灯を用意。OCF II バーンドアを取り付け、後ろからoysterと背景に少しだけハードライトを加えています。光のバランスはバーンドアをつけたハードライトをメインライトより少しだけ強めにしています。
90x90cmの背景ボードだからライティングは2灯あれば十分。特にディフューザー越しのソフトライトとハードライトの組み合わせはおすすめです。双方の出力のバランスでイメージもガラリと変わります。
使用ストロボ:Profoto D2 500 AirTTL 2灯/OCFⅡバーンドア
使用機材:CANNON EOS1DX markⅡ/EF100mm F2.8 Macro
撮影データ:f5.6 1/125 ISO100 色温度 5500K RAWデータで撮影後Photoshopで調整
ビジュアルイメージ
広告用ビジュアルのイメージです。WARM backgroundのテクスチャが良い表情です。全体的にトーンも落ち着いたイメージに仕上がっています。食品はやはりアップで撮影するとディティールが出て美味しそうです。撮影する際はヨコ位置とタテ位置、さらにInstagram用の正方形を意識して撮っておくといいかもしれません。余白を多めに広く撮影しておくと、WEBSITEのバナーにも活用できます。
Photograph / Visual Design : KYOSUKE YAMAUCHI (ONKOKENSHIN)
Styling : PERCOLATOR