複雑なテクスチャの背景で、存在感を際立たせる
今回のコンテンツシーンはアメリカンビンテージの照明器具。ビンテージの照明を扱うショップの広告ビジュアルという設定で撮影。使用した背景ボードは錆をイメージさせるRUST backgroundと、アメリカンな雰囲気漂うBRUSH background。床に設置したBRUSHでアメリカンな雰囲気を出しつつ、RUSTの複雑な色味とテクスチャを活かしたビジュアルです。雰囲気のあるビンテージ照明の存在感を上手に際立たせてくれています。
Styling|インテリアとの調和をイメージしやすいように。
アメリカンミッドセンチュリーの、ヴィンテージテーブルライトです。
合成樹脂のシェードの質感や明かりの伝わり方を見せるためには、ダークな背景がマストですね。
その中でも、無骨さを引き出せるRUSTはミットセンチュリーアイテムにはぴったりでした。
インダストリアルなインテリアをイメージしやすいようにBRUSHをセレクトしました。
インテリアアイテムを撮影するときは、飾る部屋を想像できるようにスタイリングするのもポイントですね。
(Text:PERCOLATOR)
Lighting|照明の灯りをメインに、ストロボ光でアクセントをつける
今回のライティングはストロボ2灯。メインはあくまでも照明の灯り。スローシャッターで照明の明るさを調整しライティングを組んでいきます。アクセントに使ったのは真上から背景に当てたハードライト。こちらはスヌートをつけて光をストレートに落としています。さらに照明の土台の部分に向け、グリッドをつけたハードライトを。これにより土台部分にも鈍い光のアクセントを入れています。
全体のライティング。背景ボード2枚を壁と床に見立て直角に設置。背面のRUST backgroundのテクスチャがステキなのであえて背景に当てています。そして左からグリッドを。床に見立てたBRUSH backgroundは白が基調のため明るくならないようBRUSHに当たらない角度で調整しています。
こちらがスヌートを付けたハードライト。太陽光などの強い光を表現したい場合、ハードライトはかなりおすすめです。スヌートとはゴム状の筒のようなアクセサリーで、ストロボ光の拡散を抑えストレートな光を作るのに便利です。
撮影メイキング
グリッドを取り付けたストロボ。グリッドは網目状になっていて、光の拡散を防いで狭い範囲に光を当てるアクセサリー。網目の大きさによって拡散具合が変わるのが特徴です。スヌートと同じに思えますが、どちらかというとグリッドの方が光が広く拡散するイメージです。こういったピンポイントのライティングの場合、かなり重宝するのでどちらもあると便利です。
使用ストロボ:Profoto B10X Plus 2灯
使用機材:HASSELBLAD X1DⅡ50C/XCD120mm Macro/HC 50-110mm F3.5-4.5
撮影データ:f4.0 1/8 ISO100 色温度 5600K RAWデータで撮影後Photoshopで調整
ビジュアルイメージ
PPC広告用のバナーデザイン、WEBサイトのメインビジュアル、SNS告知イメージです。照明の向こう側に暗く見えるRUST backgroundの複雑なディテールが浮かび上がっています。さらに床面に設置したBRUSH backgroundがアメリカンなテイストを。アンダー目に現像することでメインである照明に目が行き、存在感のある背景のおかげで深みのあるビジュアルに仕上がっています。
Photograph/Visual Design:KYOSUKE YAMAUCHI(ONKOKENSHIN)
Styling:PERCOLATOR