爽やかなビジュアルに欠かせないART background
今回のコンテンツシーンはグリーン。夏をテーマに、ナチュラルグリーンを販売する店舗の広告用ビジュアル制作という設定で撮影。夏ということでチョイスしたのはブルーを基調とした複雑な色味が特徴のART background。地中海の海のようでもあり、海外にあるキレイな大理石の壁のようなこの背景ボードは光の当たり方で様々な表情を見せてくれます。今回は主に自然光とLED照明を使い、ナチュラルなイメージを追求。どこまでも爽やかなビジュアル制作を目指しました。
Styling|映り込みを活かした繊細な表現
涼しげでしっとりとした印象を作りたいと思いました。
ARTに水盤を置くことで、水面の境目が曖昧に。
ツヤのあるARTだからこそ表現できる水影も相まって、繊細で儚げな印象を作れたと思います。
(Text:PERCOLATOR)
Lighting|降り注ぐ太陽光を、自然光とLED照明で再現する
今回のライティングは窓から差し込む自然光と、LED照明3灯を使用。直射日光が当たらない場所に撮影台を置き撮影。柔らかい自然光を活かしつつ、それだけだとフラットになりすぎるため左サイドにトレーシングペーパーでディフューズした300WのLEDを設置。まずは全体を明るくします。さらに同じ方向からバーンドアを付けた300WのLEDでハードライトを表現。窓から差し込む直射日光をイメージして、背景ボードにも漏れるような角度で照射。右側は少しだけ暗かったため150WのLEDにソフトボックスを付けて補助光として使いました。
全体のライティング。まどから差し込む自然光はあくまでも全体をふんわり照らす程度。ロールスクリーンで直射日光が入らないように工夫しています。自然光だけの撮影の場合、難点なのが光の色と不安定な明るさ。雲がかかっていたり、途中で晴れたりするとまるで違うイメージになるため実はなかなか大変です。
こちらが300WのLED照明。左にはトーレーシングペーパーをかぶせ光を柔らかくしています。右はバーンドアをつけたハードライト。強い太陽光の役割です。LED照明は主にMOVIE撮影で使用しますが、照明側で色温度を変えられるため実はスチールでもかなり使いやすく、もはや主流になりつつあります。ちなみに今回は3灯ともに色温度を6500K(ケルビン)に設定しています。
撮影メイキング
今回もグリーンの撮影ということで、いつものフローリストさんが参加。微調整しやすいようにPCとカメラを有線で繋いで撮影。ライブビューで見ることができるため、PCに映った画面を見ながら微調整しています。ちなみに今回のカメラはHASSELBLADのX1DⅡ50Cというミラーレスカメラ。このカメラをテザー撮影(PCとカメラを繋げる撮影)するには「Phocus」というHASSEL社のアプリしか対応していません。画質は最高ですが、そこがHASSELBLADの今のところの難点です。
使用ストロボ:Aputure LS 300X 2灯/NANLITE FS-60B 1灯
使用機材:HASSELBLAD X1DⅡ50C/XCD120mm Macro
撮影データ:f6.3 1/400 ISO100 色温度 4200K RAWデータで撮影後Photoshopで調整
ビジュアルイメージ
PPC広告用のバナーデザイン、WEBサイトのメインビジュアル、SNS告知イメージです。ハードライトが当たる部分のハイライトとグリーンの影が夏らしくていいですね。ARTbackgroundの流れるようなテクスチャが爽やかです。光を背景ボードにピンポイントで当てることで、ボードの表情が浮き出てくるのもARTの特徴。ちゃんと存在感がありながらも使いやすい背景ボードです。
Photograph/Visual Design:KYOSUKE YAMAUCHI(ONKOKENSHIN)
Lighting:HATAYO KUBOTA
Styling:PERCOLATOR
Flower:SO BOUQUET