シンプルに商品が際立つ、テクスチャの効いたWHITEボード
今回のコンテンツシーンもヴィンテージリングウォッチ。1970年代に作られたSEIKOの機械式女性用指輪時計のビジュアル製作です。前回はLIGHT GRAY backgroundを使用しましたが、今回の撮影用背景ボードはWHITE background。同じ方向に凹凸とテクスチャを加えているため、単に白い背景シートを使うよりも簡単にワンランク上のビジュアルに仕上がります。
このWHITEボードは漆喰のような佇まいで、引きで撮影すると緩やかな凹凸になり、寄りで撮影すると下の写真のように凹凸の中にある繊細なテクスチャが際立ちます。フードフォトから、アパレル、ジュエリーなどあらゆる撮影にマッチする背景ボードです。ライティング一つでも表情が変わるため、これ一枚で重宝します。
Styling｜同系色、同質でまとめる
リングウォッチのシルバーを引き立たせるため、同系色のとても小さな高台菓子皿をセレクトしました。
色だけではなく、質感も無機質で統一されているので、商品のディテールを邪魔せず、引き立ててくれます。
菓子皿１枚ではなく、２枚重ねて段を作ることによって、商品の高級感も出せました。Text：PERCOLATOR）
Lighting｜アートレとストロボ2灯で柔らかな自然光を再現
今回のライティングはProfoto B10X plusのストロボ2灯。アートレ越しに同じような角度で設置しています。ストロボ1灯でも十分キレイですが、少し後ろから柔らかい光をプラスすることで自然光を再現しています。メインライトが左の1灯。右の1灯はアートレから離して強めに当て、商品の後ろから漏れてくる自然光を再現しています。
ライトと被写体の間に設置しているのがアートレ。表面がフラットでキレイなディフューザーなので文字盤に写し込む光がフラットでキレイです。トレペだと少し紙っぽい模様が出たりするため貴金属系はアートレがおすすめです。ちなみにアートレを使用する場合は撮影用のセンチュリースタンドを使用します。かなり重いスタンドですが、こういった高額の商品を撮影する時は倒れないので必須です。
さらにDARK GRAY backgroundを使用して別カットも撮影。同じライティングですが一気に雰囲気が変わります。
実際にリングウォッチを指に付けたビジュアルです。背景がDARK GRAYだとトーンが落ち着いた仕上がりになります。
撮影メイキング
制作したビジュアル。後ろから漏れる柔らかい自然光をイメージしたライティングで撮影。絞りも開放気味で撮影しているためさらに柔らかいビジュアルに仕上がっています。今回はあえて色温度を低めに。5000Kで少し青っぽく現像してみました。こういった同系色のプロップを組み合わせるとビジュアルが簡単にまとまります。ぜひ試してみてください。
使用ストロボ：Profoto B10X Plus 2灯
使用機材：HASSELBLAD X1DⅡ50C／XCD120mm Macro
撮影データ：f4.0 1/320 ISO100 色温度 5000K RAWデータで撮影後Photoshopで調整
ビジュアルイメージ
PPC広告用のバナーデザイン、広告ビジュアル、SNS告知イメージです。ヴィンテージリングウォッチの上品なシルバー感をLIGHT GRAY backgroundが上手に引き出しています。塗装した背景ボードならではの質感がいいですね。LIGHT GRAYは両面塗装で裏面がDARK GRAYになっています。グレーを基調としたブツ撮りに1枚で大いに活躍する背景ボードに仕上がりました。色温度を変えて現像するだけで爽やかにもなり、温かみも出るボード。オススメです。
Photograph／Visual Design：KYOSUKE YAMAUCHI（ONKOKENSHIN）
Styling：PERCOLATOR
Making photo：FUMIKA SUZUKI（Smart Media）
Special Thanks：TIME GARDEN（SENDAI）
仙台の時計修理・ヴィンテージ時計のお店。1970年代のレディースウオッチを中心に、自社でメンテナンスをして販売しています。
