ブルーで統一したスタイリングで、夏の海を連想させる
今回のコンテンツシーンはスタイリング本のカバービジュアル撮影という設定。背景ボードには爽やかさと存在感がミックスしたFRESH backbroundをチョイス。器と布、背景ボードを同一色にし、アサリが際立つビジュアルを表現。FOOD写真の場合、ブルーを多用するスタイリングは美味しくなさそうで躊躇しがちですが、食材をシーフードにすることで意味を持たせ、海を連想させる仕上がりにしています。フラットな背景紙と違い、職人の手で塗装したFRESHのテクスチャがイメージを上手にまとめてくれました。
Styling|洗練されたイメージを、小物であえて崩す
STORYでもお話ししていますが、今回はとにかく器が軸になっています。この器を活かすべく、足し算引き算をしてみました。重要な引き算要素になっているのが、<FRESH>の質感と色味。
「洗練された、でも屋台」な料理というスタイリングにしたかったので、アルミトレーや木のお箸なんかは「屋台」。
<FRESH>のすっきりしたブルーグレーと、ほんのりある凹凸は主張が強すぎず、でもそっと全体をまとめてくれて、「洗練された」スタイリングの手助けをしてくれます。まさに、ボードの役割である、名バイプレイヤーそのもの。(Text:PERCOLATOR)
Lighting|ハードライトをミックスさせ、心地いい日差しを表現する
今回のライティングはストロボ2灯を使用。メインライトは斜め後ろからディフューザー越しに設置したソフトライト。もう1灯にグリッドを付け、少し上目から器の中のアサリに向けてハードライトを当てています。直射日光が少し当たり、心地いい日差しが入情景を表現できました。こういった深めの器の場合、器の影がでてしまうため、ライトは少し上目から当てます。
ちなみに撮影はRAWデータで撮影し、現像段階でアサリの色味だけ彩度を少しあげています。
撮影メイキング
今回使用したストロボは「Profoto D2 500 AirTTL」を2灯。ディフューザー越しのライトで全体を明るくし、グリッドライトは直接食材に当てています。グリッドはストロボの先端に付けるアクセサリーで、細かい網目が特徴です。網目の大きさによって光の狭さが変わります。直射日光や強い日差しを表現したい場合、かなり有効なアクセサーです。
使用ストロボ:Profoto D2 500 AirTTL 2灯/グリッド
使用機材:CANNON EOS1DX markⅡ/EF100mm F2.8 Macro
撮影データ:f8 1/125 ISO100 色温度 5500K RAWデータで撮影後Photoshopで調整
ビジュアルイメージ
スタイリングブックのカバービジュアル、WEBサイト、SNSのPRイメージです。FRESH backgroundの細かいテクスチャと海を連想させる爽やかな色合いが海外のようなイメージを演出しています。食品だけでなく、アパレルや小物の夏シーンにも重宝しそうです。マットな質感で光沢がないため、かなり使いやすい背景ボードです。
Photograph/Visual Design:KYOSUKE YAMAUCHI(ONKOKENSHIN)
Styling:PERCOLATOR