なんてことない雰囲気を作り込む
朝食って言葉は、なんてなんて幸せそうなんだろう。
今回のスタイリングは、朝食です。
「おやすみの日」ではなく、「日常」の朝食。
STORYでは、度々映画のことをお話ししていますが、今回の撮影シーンもまた若い頃から観てきた映画の映像がいくつか浮かんでいます。
例えば「ジョーブラックによろしく」。
朝、仕事に行く前にコーヒーショップで朝食を食べているシーン。
卵料理とベーコンとトーストかな?なんて想像しながら、こんなお店にフラッと寄って朝食食べたい!
と、ラブストーリーなんかそっちのけで何度も観てしまいます。
きっと実際はそんなに美味しくないし、常にドリッパーに入って温められているコーヒーだって、絶対煮詰まっていて不味いはず。
なのになんでこんなにも美味しそうに、幸せそうに観えるんだろう、、、、
クレープとベーコンを盛り付けたプレートはフランスの業務用食器。
こう見えて、ガラス製です。
ミルキーなガラスを使うことで、朝のまだ目が覚めきっていないまどろみが演出できているかもしれませんね。
物語が続いているようなスタイリングを
私がいつも撮影のスタイリングで目指していること。
それは、スタイリストなんて入ってなさそうと思わせること。
スタイリストとしてまだ一人前とは言えなかった頃、
「カメラを超えたところまで物語が続いているようなスタイリングができるようになって欲しい。」
と言ってくれた方がいます。
いつも、それを心がけているのですが、なかなか、難しいです。
ちなみに、スタイリングしてないようなバターを作るために、お皿に盛り付けてから、ミニバーナーでバターをちょっと溶かしています。
Photograph:KYOSUKE YAMAUCHI(ONKOKENSHIN)
Styling:PERCOLATOR
使用した背景ボード:BRUSH background